建築を学ぶ学生にとって、ダイアグラムは設計内容を整理し、相手に効果的に伝えるための強力なツールです。
この記事では、ダイアグラム作成が苦手な学生や、これからダイアグラムを学びたい学生に向けて、以下の内容を解説します。
- ダイアグラムとは?
- ダイアグラムはなぜ必要なの?
- 効果的なダイアグラム作成手順をステップで解説
- ダイアグラム作成の注意点
- 著名建築事務所によるダイアグラム事例紹介
Contents
1. 建築におけるダイアグラムとは?
ダイアグラムとは、建築物の設計意図やコンセプトをわかりやすく図解したものです。
図面やパースでは伝えきれない、以下の様な情報を視覚的に表現します。
- 周辺環境の分析
- 利用者層のイメージ
- 基本的なゾーニングプラン
- 基本的な動線計画
- 設計コンセプト
- 保守・運用計画
- 構造・環境上の配慮
2. ダイアグラムはなぜ必要なの?
ダイアグラムは、設計者自身と相手方の双方にとって、以下の様なメリットがあります。
設計者にとってのメリット
- 設計内容の整理: 図式化することで頭の中が整理され、設計案への理解が深まります。
- 思考の深堀り: 図式化を通して新たな課題やアイデアを発見することができます。
相手方にとってのメリット
- 視覚的・直感的な理解: 図式は言葉よりも多くの情報を瞬時に伝えることができます。
- 印象に残りやすい: 視覚情報は記憶に残りやすく、プレゼン内容の理解を促進します。
3. 効果的なダイアグラム作成手順
ステップ1: 自分の設計内容を徹底的に理解する
まずは、設計案の特徴や要点を再確認し、何を伝えたいかを明確化します。
ステップ2: 説明したい内容ごとに分割する
敷地分析、プログラム概要、形態操作など、説明項目を分割し、それぞれにダイアグラムを作成します。
ステップ3: 各項目で「つまり何が言いたいのか?」を短くまとめる
重要な部分を抽出する感覚で、伝えたい内容をシンプルに言語化します。
ステップ4: 簡単に図式化してみる
これまでのステップで整理した内容を元に、ラフなスケッチでダイアグラムのイメージを掴みます。
ステップ5: 説明内容が図式に全て含まれるように改良していく
漏れがないか確認し、必要であれば情報を追加します。
ステップ6: 図式化の中で生まれた発見があれば説明内容にフィードバックする
図式化を通して、より良い表現方法や修正点が見つかる場合もあります。
ステップ7: 余分な情報を完全になくす
本当に必要な情報だけを残し、シンプルさを追求します。
ステップ8: 見る側のことを考えて、少しでも視覚的に分かりやすくする
矢印や色分けなどを効果的に活用し、直感的に理解できるよう工夫します。
ステップ9: 最後の仕上げ: 直感的に理解できるか最終チェック
感覚的に頭にスッと入ってくるかを確認し、必要に応じてブラッシュアップします。
4. ダイアグラム作成の注意点
- 表現方法が内容を邪魔しないようにする: 表現が過剰になり、伝えたい内容がぼやけないように注意しましょう。
- 見る人のストレスを極限まで減らす: 複雑すぎる表現や、不要な情報は削除し、理解を妨げないように心がけましょう。
- あくまで設計内容が重要であることを忘れない: ダイアグラムはあくまでもツールであり、設計内容を犠牲にしてまでこだわる必要はありません。
5. 著名建築事務所によるダイアグラム事例紹介
- nendo: 動画とイラストを組み合わせた、わかりやすく親しみやすい表現が特徴的です。
- BIG: コンセプトのアイデア段階から、建築の完成形までを段階的に図解し、設計プロセスを明確に示しています。
- OMA: ゾーニング、動線、周辺環境分析など、多様な種類のダイアグラムを駆使し、複雑な情報をわかりやすく伝えています。
まとめ
優れたダイアグラムは、シンプルながらも設計の本質を捉え、見る者に深い理解を与えます。
ぜひ今回の内容を参考に、効果的なダイアグラム作成に挑戦してみてください。add_circle
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