【二級建築士試験対策】廊下・屋外への出口・屋上広場…避難経路の重要ポイントを徹底解説!

二級建築士試験では、建物の避難経路に関する問題が頻出します。
安全な避難経路を確保することは、火災や地震などの災害発生時に人命を守る上で極めて重要です。

建築基準法では、廊下や屋外への出口、屋上広場など、避難経路となる部分の幅や構造、設備について、様々な基準が定められています。
今回は、これらの基準の中から、試験によく出る重要ポイントを整理し、さらに詳細な解説を加えることで、皆さんの理解を深め、合格へと導きます!

1. 廊下:避難経路の要! (令26条)

廊下は、各部屋から階段や屋外への出口へと繋がる避難経路の要となる部分です。
建築基準法では、廊下の幅について、用途や規模に応じて基準が定められています。

試験対策ポイント

  • 廊下の幅の基準:
    • 原則: 1.2m以上
    • 劇場、映画館、公会堂: 1.8m以上
    • 病院: 病室が3室以下、または床面積の合計が100㎡以下の場合は、幅の基準は設けられていません。
    • 共同住宅: 10室以下、または床面積の合計が100㎡以下の場合は、幅の基準は設けられていません。
    • 学校: 小学校、中学校、高等学校の廊下は、自動閉鎖式の扉を設ける場合、幅の基準は1.2mでよい。
  • 廊下の幅を測る位置: 廊下の最も狭い部分で測ります。
  • 手すり: 階段と同様に、廊下の両側に手すりを設けることが推奨されています。特に、高齢者や障害者などの歩行が困難な人が利用する場合は、手すりの設置が重要となります。
  • 床材: 廊下は、避難経路として多くの人が通行するため、滑りにくい床材を使用することが重要です。
  • 照明: 廊下は、夜間や停電時でも安全に避難できるように、十分な明るさの照明を設置する必要があります。

試験によく出る引っ掛け問題

  • 廊下と通路の違い: 廊下は、居室から階段や屋外への出口に繋がる部分を指し、通路は、一般的に人が通行するための部分を広く指します。試験では、この違いを理解しているかどうかを問う問題が出題されることがあります。
  • 用途による幅の基準の違い: 上記のように、廊下の幅の基準は、用途や規模によって異なります。問題文をよく読み、どの基準が適用されるかを正しく判断することが重要です。

2. 屋外への出口:安全な避難のために! (令119条・令125条)

屋外への出口は、火災などの災害発生時に、建物から安全に避難するための重要な経路です。
建築基準法では、屋外への出口の数、幅、構造、設備について、様々な基準が定められています。

試験対策ポイント

  • 出口の数: 建物の規模や用途に応じて、必要な出口の数が定められています。
  • 出口の幅: 原則として、100㎡につき60cm以上の幅が必要です。ただし、物品販売業を営む店舗など、用途によっては異なる基準が適用される場合があります。
  • 扉の開き方向: 劇場、映画館、公会堂などの不特定多数の人が利用する建築物の客席からの出口の扉は、内開きとしてはなりません。これは、パニック時に人が押し寄せた際に、扉が開かなくなってしまうのを防ぐためです。
  • 施錠: 屋外への出口は、内側から鍵を用いることなく解錠できる構造にする必要があります。
    • これは、災害発生時に、鍵を探したり、鍵を開けるのに手間取ることなく、速やかに避難できるようにするためです。
  • 表示: 屋外への出口には、その位置が分かりやすいように、表示を設ける必要があります。
  • 歩行距離: 居室から屋外への出口までの歩行距離は、一定の基準以下にする必要があります。
    • これは、火災などの発生時に、煙や熱に巻き込まれる前に、安全に避難できるようにするためです。
    • 歩行距離の基準は、建物の構造(耐火構造、準耐火構造など)や用途によって異なります。

試験によく出る引っ掛け問題

  • 物品販売業を営む店舗: 物品販売業を営む店舗の屋外への出口に関する規定は、他の用途とは異なる部分があり、試験でよく問われます。
  • 歩行距離: 歩行距離の基準は、建物の構造や用途によって異なるため、問題文をよく読み、どの基準が適用されるかを正しく判断することが重要です。

3. 屋上広場:避難場所としての役割! (令126条)

屋上広場は、火災などの災害発生時に、一時的な避難場所として利用することができます。
建築基準法では、屋上広場の構造や設備について、基準が定められています。

試験対策ポイント

  • 手すり: 屋上広場には、周囲に高さ1.1m以上の手すりを設ける必要があります。
  • 避難経路: 屋上広場から地上への避難経路を確保する必要があります。
  • 百貨店: 百貨店の屋上広場は、避難場所としての役割が特に重要視されています。

試験によく出る引っ掛け問題

  • 屋上広場とバルコニー: 屋上広場は、避難場所としての役割を担うのに対し、バルコニーは、主に居住空間の延長として利用されます。試験では、この違いを理解しているかどうかを問う問題が出題されることがあります。
  • 手すりの高さ: 屋上広場の手すりの高さは1.1m以上と定められていますが、バルコニーの手すりの高さは80cm以上と定められています。この違いを混同しないように注意が必要です。

4. 敷地内通路:安全な避難を確保! (令128条)

敷地内通路は、建物から道路までの避難経路となる部分です。
建築基準法では、敷地内通路の幅について、基準が定められています。

試験対策ポイント

  • 通路の幅: 原則として、1.5m以上の幅が必要です。ただし、小規模な建築物の場合は、90cm以上の幅でよいとされています。

まとめ|避難経路の基準をマスターしよう!

避難経路に関する基準は、人命を守る上で非常に重要であり、二級建築士試験でも頻出テーマです。
今回の内容を参考に、法令集と過去問を有効活用しながら、しっかりと理解を深め、試験本番で自信を持って解答できるように準備しておきましょう!

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