二級建築士試験では、建物の「階段」に関する問題が出題されます。
安全で快適な階段を設計するため、建築基準法では、階段の寸法や構造、手すりなど、様々な基準が定められています。
今回は、階段に関する規定の中から、試験によく出る重要ポイントを整理し、図解なしで詳細に解説することで、皆さんの理解を深め、合格へと導きます!
Contents
なぜ階段の基準は重要?
階段は、建物の階層を移動するための重要な設備であり、日々の生活において頻繁に利用されます。
そのため、安全で快適に利用できるよう、建築基準法では、階段の寸法や構造、手すりなど、様々な基準が定められています。
これらの基準を理解することは、二級建築士試験対策として重要であるだけでなく、建築士としての実務においても不可欠です。
試験によく出る!階段の重要ポイント
1. 蹴上げと踏面 (令23条)
- 蹴上げ: 階段の1段分の高さのこと。
- 踏面: 階段の1段分の奥行きのこと。
- 基準値: 蹴上げは23cm以下、踏面は15cm以上と定められています。
- この基準値は、安全で快適な歩行を確保するために定められたものです。
- 蹴上げが高すぎると昇降が困難になり、踏面が狭すぎると足を踏み外す危険性が高まります。
- 例外:
- 共同住宅の共用階段: 蹴上げ23cm以下、踏面14cm以上
- 特殊な用途の階段: 例えば、エレベーター機械室専用の階段や、物見やぐら用の階段などは、上記の基準が適用されない場合があります。
- 試験対策:
- 蹴上げと踏面の基準値は、試験で必ず覚えておくべき数値です。
- 共同住宅の共用階段など、例外規定も合わせて理解しておきましょう。
2. 階段の幅 (令23条)
- 基準値: 階段の幅は、用途や階数によって異なります。
- 屋外階段: 90cm以上
- 直通階段: 120cm以上
- その他の階段: 60cm以上
- 共同住宅の階段: 共用部は90cm以上、専有部は60cm以上
- 例外:
- 手すりの出っ張りが10cm以下の場合は、階段の幅に含めなくてもよい。
- 階段昇降機のレールなど、安全な昇降を確保するための設備の出っ張りが50cm以下の場合は、階段の幅に含めなくてもよい。
- 試験対策:
- 階段の幅に関する基準値は、用途ごとに異なるため、表などを用いて整理しておくと良いでしょう。
- 例外規定も合わせて理解しておきましょう。
3. 踊り場 (令24条)
- 定義: 階段の途中に設けられる水平な場所のこと。
- 目的:
- 長い階段を昇降する際に、途中で休憩できるようにするため。
- 階段の向きを変える場合に、安全に方向転換できるようにするため。
- 基準値: 踊り場の幅は、原則として階段の幅と同じにする必要があります。
- ただし、小学校、中学校、高等学校の階段で、踊り場の幅が3mを超える場合は、中間に手すりを設けることで、踊り場の幅を3m以内にすることができます。
- 試験対策:
- 踊り場の設置基準や幅に関する規定は、試験でよく問われます。
- 特に、例外規定もしっかりと理解しておきましょう。
4. 手すり (令25条)
- 設置義務: 階数が3階以上の階段には、両側に手すりを設ける必要があります。
- 高さ: 手すりの高さは、床面から85cm以上とする必要があります。
- 形状: 手すりは、握りやすく、滑りにくい形状にする必要があります。
- 試験対策:
- 手すりの設置義務や高さ、形状に関する規定は、基本的な内容ですが、試験では必ず確認しておきましょう。
5. エレベーター機械室の階段 (令129条の9)
- 基準値: エレベーター機械室に設ける階段の蹴上げは23cm以下、踏面は15cm以上と定められています。
- この基準は、住宅の階段と同じです。
- 試験対策:
- エレベーター機械室の階段に関する規定は、他の条文とは別に定められているため、見落としがちです。
- 法令集にインデックスを貼るなどして、確実に確認できるようにしておきましょう。
過去問演習で実力アップ!
階段に関する問題は、実際に問題を解きながら理解を深めていくことが重要です。
- 法令集を見ながら、定義や条文を丁寧に確認すること。
- 具体例を考えながら、イメージを掴むこと。
- 試験によく出る引っ掛けパターンを意識すること。
地道な努力を積み重ねていくことで、必ず得点に繋がるはずです。
まとめ|階段の基準をマスターしよう!
階段に関する基準は、安全で快適な建物を設計するために欠かせない知識です。
今回の内容を参考に、法令集と過去問を有効活用しながら、しっかりと理解を深め、試験本番で自信を持って解答できるように準備しておきましょう!