二級建築士試験では、建物の「一般構造」に関する問題が出題されます。
「一般構造」とは、採光、換気、天井高、階段、廊下など、建物の基本的な構造に関する規定を指します。
安全で快適な居住空間を確保するために、建築基準法では、これらの項目について細かく基準が定められています。
今回は、一般構造の中でも特に重要な採光・換気・天井高について、試験によく出るポイントや計算問題の解き方などを詳しく解説していきます。
Contents
1. 採光:部屋に十分な光を!
採光は、居住空間の快適性や健康に大きく影響する要素です。建築基準法では、各部屋に十分な光を確保するために、有効採光面積に関する規定を設けています。
試験対策ポイント
- 住宅の居室: 床面積の1/7以上 (法28条1項)
- その他の居室: 用途地域ごとに必要な有効採光面積の割合が定められている (令19条)
- 有効採光面積の計算方法: 窓ガラスの面積 × 開口部に関する最高関係比率 × 採光補正係数 (令20条)
- 最高関係比率: 窓の中心から隣地境界線までの距離(d)と、窓の上端から天井までの高さ(h)を用いて計算する。1/d が基本となるが、窓の位置や周辺の状況によって異なる。
- 採光補正係数: 窓の種類や周辺の状況によって異なる。法令集で確認が必要。
- 居室以外の室 (台所、便所、浴室など): 採光に関する規定はない。
計算問題のコツ
- 公式を覚える: 有効採光面積 = 窓ガラスの面積 × 開口部に関する最高関係比率 × 採光補正係数
- 法令集を活用: 最高関係比率や採光補正係数は、法令集の表から読み取る。
- 問題文をよく読む: 窓の種類、周辺の状況、用途地域などを正確に把握する。
2. 換気:新鮮な空気を!
換気は、室内の空気を入れ替え、健康的な居住環境を維持するために不可欠です。建築基準法では、換気設備の設置や換気回数に関する規定を設けています。
試験対策ポイント
- 原則: 居室には、床面積1㎡あたり毎時0.5回以上の換気ができる設備が必要 (令21条)。
- 例外: 天井高が2.1m未満の居室や、小規模な建築物など、換気設備の設置が免除される場合がある。
- 地下室: 居室として使用する場合は、特に注意が必要。土壌からの湿気やカビの発生を防ぐために、適切な換気計画が求められる。
3. 天井高:空間の広がりを!
天井高は、部屋の広がりや開放感に影響を与える要素です。建築基準法では、居室の天井高について最低限の基準を設けています。
試験対策ポイント
- 居室: 天井高は2.1m以上必要 (令21条)。
- 平均天井高: 天井に勾配がある場合は、平均天井高を求める必要がある。
- 床下: 居室の床下は、地面から45cm以上の高さが必要 (法22条)。ただし、コンクリート造など、床下からの湿気が上がりにくい構造の場合は、この限りではない。
過去問演習で実力アップ!
一般構造に関する問題は、実際に問題を解きながら理解を深めていくことが重要です。
- 計算問題では、公式を正しく理解し、法令集を正しく参照できるかがポイント。
- 知識問題では、条文の内容を正確に理解しているかが問われる。
過去問を繰り返し解くことで、知識の定着を図り、試験本番で落ち着いて解答できる力を養いましょう。
間違えた問題は、解説をよく読み、なぜ間違えたのかを分析することが重要です。
まとめ|一般構造を理解して、快適な建築物を!
一般構造は、快適で安全な居住空間を確保するために、建築基準法で定められた重要な基準です。
今回の内容を参考に、法令集と過去問を有効活用しながら、しっかりと理解を深め、試験本番で自信を持って解答できるように準備しておきましょう!