【諦める前に読んで】「自分設計向いてない…」と感じた建築学生が知るべき設計教育の実情と、夢を叶えるヒント

「自分には設計の才能がない…」「周りのレベルが高すぎてついていけない…」

建築学科で学びながら、そんな風に悩んでいませんか?

設計課題に追われ、思うように評価されないと、「自分には向いていないのかも…」と自信を失ってしまうのも無理はありません。

でも、ちょっと待ってください!

もしかしたら、それは大きな誤解かもしれません。

この記事では、元建築学生の筆者が、 「大学で学ぶ設計」と「実務の設計」の違い、そして 多くの建築学生を苦しめる「設計教育の偏った価値観」 について解説します。

この記事を読めば、モヤモヤした気持ちがクリアになり、 本当に自分が進むべき道 が見えてくるはずです。

一度は憧れた建築の夢、誤解や勘違いで諦めてしまう前に、ぜひ最後まで読んでみてください。

「大学で学ぶ設計」と「実務の設計」の違いとは?

大学では、斬新なアイデアや美しいデザインが評価されがちですが、現実の建築現場では、考慮すべき要素が全く異なります。

ここでは、大学と実務の設計の大きな違いを3つご紹介します。

  1. コストの制約: 現実には予算という壁が立ちはだかります。
    • 大学: 予算を気にせず、自由に設計できる。
    • 実務: 予算内で設計することが絶対条件。コスト感覚が求められる。
    例えば、斬新なデザインの建物でも、建築費用が莫大にかかってしまえば、実現は不可能です。
    クライアントの予算を理解し、限られた予算内で最大限の成果を出すことが、プロの建築士に求められるスキルなのです。
  2. 法規制の現実: 自由な設計を阻む様々な決まりごと。
    • 大学: 法規制を簡略化して学ぶため、自由度の高い設計が可能。
    • 実務: 建物の高さ、用途、設備など、あらゆる面で法規制が適用される。
    現実には、建築基準法をはじめ、消防法や都市計画法など、様々な法律が建物の設計に制限を加えます。
    これらの法規制をクリアすることは、安全な建物を設計するために必須であり、建築士には深い知識と応用力が必要とされます。
  3. お化粧デザインの重要性: 無難な建物をいかに魅力的に見せるか。
    • 大学: 建物の形態や空間構成など、デザインそのものが評価対象。
    • 実務: 機能性やコストを重視した上で、見た目の魅力を高める工夫が重要になる。
    住宅建築を例に挙げると、間取りや性能は良くても、外観が平凡では顧客の心を掴めません。
    素材や色使い、照明などを工夫し、建物の魅力を最大限に引き出す、「お化粧」のスキルが求められます。

大学で学ぶ設計教育の偏った価値観

「建築=芸術」という考え方は間違いではありませんが、それが全てでもありません。

大学では、「オリジナリティ」や「作家性」を過度に重視するあまり、「使いやすさ」や「経済性」といった視点が軽視されているケースも少なくありません。

例えば、「住宅としては良いが、建築としては…」といった評価をされたことがある人もいるのではないでしょうか?

しかし、本当に優れた建築とは、住む人の暮らしを豊かにし、街並みに調和するものであり、必ずしも奇抜なデザインである必要はありません。

森山高至氏の著書 「非常識な建築業界 「どや建築」という病」 では、このような建築業界の現状と問題点が鋭く指摘されています。

[書籍「非常識な建築業界 「どや建築」という病」へのリンク]

もし、あなたが現在の設計教育に疑問を感じているなら、ぜひ一度読んでみてください。きっと、多くの気づきが得られるはずです。

「設計に向いてない」と感じる本当の理由

「自分には設計の才能がない…」と感じるのは、もしかしたら、大学で学ぶ「偏った価値観」に馴染めないだけかもしれません。

本当に「設計」に向いていないのか、それとも「特定の設計の価値観」に合わないだけなのか、もう一度冷静に考えてみましょう。

あなたの個性や強みは、別の設計分野でこそ活かせるかもしれません。

例えば、

  • 住宅設計: 住む人の暮らしをイメージし、快適で機能的な住空間を創造する。
  • オフィス設計: 働きやすさと生産性を追求し、企業の成長を支える空間をデザインする。
  • 商業施設設計: 人々を惹きつける魅力的な空間を演出し、賑わいを生み出す。
  • ランドスケープデザイン: 自然と調和した、美しく快適な屋外空間を創造する。

など、建築設計と一言で言っても、様々な分野が存在します。

設計の夢を諦める前に知っておきたいこと

建築業界は、設計事務所だけでなく、ゼネコンや公務員など、様々な働き方があります。

  • 設計事務所: 建築の設計を専門に行う。デザイン性や専門性の高い建築に関わることができる。
  • ゼネコン: 設計から施工までを一貫して請け負う。大規模プロジェクトに携わることができる。
  • 公務員: 公共施設の設計や都市計画など、幅広い業務に携わることができる。

まずは、それぞれの働き方についてよく調べ、自分の興味や適性と照らし合わせてみましょう。

また、企業の理念や社風に共感できるかどうかも重要なポイントです。

就職活動を通して、様々な企業を訪問し、実際に働く人の話を聞くことで、より具体的に将来のイメージを描きやすくなるはずです。

まとめ: 大切な夢を誤解で手放さないために

この記事では、「自分設計向いてないかも…」と感じている建築学生に向けて、大学と実務の設計の違い、そして設計教育の現状について解説しました。

「オリジナル性」や「作家性」を重視するあまり、実用性や経済性が軽視される大学教育に疑問を感じるのは、決して間違いではありません。

大切なのは、一つの価値観に囚われず、本当に自分に合った道を見つけることです。

建築業界には、様々な働き方、活躍の場があります。

ぜひ視野を広げて、あなたの個性や強みを活かせる道を探してみてください。

そして、諦めずに努力を続ければ、必ず夢を実現できると信じています。

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