「建築コンセプト」ってなんだろう?
かっこいい建物には必ず、設計者の熱い想いが込められているはず!
この記事では、そんな建築コンセプトの世界へあなたを招待します。
これから建築を学ぶ学生さんや、建築に興味があるけど、コンセプトって難しそう…と感じている方に向けて、分かりやすく解説して行きます。
この記事を読めば、建築コンセプトの基礎から応用、そして実例まで深く理解することができます。ぜひ最後まで読んでみて下さい!
建築コンセプトとは?
建築コンセプトとは、建物を設計する上で最も大切にしたい「想い」や「考え方」を、一言で表した言葉のこと。
例えば、
- 「自然との共生」
- 「地域のコミュニティを育む」
- 「未来へ向けた持続可能な建築」
といったように、その建築が目指す姿を明確に表現します。
これは、設計者自身の考えをまとめるだけでなく、施主や利用者、地域社会など、建築に関わる全ての人と、その想いを共有するためのコミュニケーションツールとしても役立ちます。
建築コンセプトが重要な理由
建築コンセプトは、建物の設計において、以下の点で重要な役割を果たします。
- 設計の方向性を定める羅針盤複雑な建築プロジェクトにおいて、コンセプトは、設計者が迷った時の道標となり、一貫性のある設計を実現するための指針となります。
- 建築に独自性と魅力を与えるありきたりな建物ではなく、利用者や地域社会に愛される、個性豊かで魅力的な建物を生み出すために、コンセプトは欠かせません。
- 建築に関わる人々の心を一つにするコンセプトを共有することで、設計者、施主、利用者、地域社会など、建築に関わる人々の間で、共通認識を育み、プロジェクトを円滑に進めることができます。
建築コンセプトの作り方
建築コンセプトは、以下の手順で作り上げていきます。
Step 1: 情報収集と分析
- 敷地調査:敷地の形状、周辺環境、日当たり、風通しなどを調べます。
- 機能要求の整理:どのような用途の建物なのか、必要な部屋数や広さ、設備などを明確にします。
- 関連事例の調査:類似する建築物や、参考にしたい建築家の作品を調べます。
Step 2: キーワードの抽出
- 分析結果から、設計の鍵となるキーワードをいくつかピックアップします。
- 例:「自然との調和」「開放的な空間」「地域のランドマーク」など
Step 3: コンセプトの言語化
- 抽出したキーワードを元に、建築を通して表現したい「想い」や「テーマ」を、簡潔な言葉で表現します。
- 抽象的な表現ではなく、具体的なイメージを喚起する言葉を選びましょう。
Step 4: コンセプトの検証
- 立てたコンセプトは本当に実現可能か?魅力的な建築に繋がるか?などを検証します。
- 必要があれば、コンセプトを修正・ブラッシュアップします。
建築コンセプトの実例
有名な建築物を参考に、コンセプトがどのように表現されているのかを見てみましょう。
建築物名 | 建築コンセプト | 建築コンセプトの説明 |
サヴォア邸 | 近代建築の五原則 | ピロティ、屋上庭園、水平連続窓、自由な平面、自由な立面という5つの要素を明確化し、近代建築の礎となった。 |
Fallingwater(落水荘) | 自然と一体となった建築 | 滝の上に建てられた住宅は、自然と共存し、その一部となるような建築を目指した。 |
東京スカイツリー | 日本の伝統美と未来的なデザインの融合 | 高さ世界一の電波塔として、日本の伝統的な建築様式と、革新的なデザインを融合させた。 |
まとめ|建築コンセプトは建物の「想い」を形にするための羅針盤
この記事では、建築コンセプトについて、その意味や重要性、作り方、実例などを解説しました。
建築コンセプトは、建物に命を吹き込み、人々の心を動かす力を持っています。
これから建築を学ぶ人はもちろん、建築に興味がある人も、この記事を参考にして、建築コンセプトの世界に触れてみて下さい!